デンプシー(読み)でんぷしー(英語表記)Jack Dempsey

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デンプシー」の意味・わかりやすい解説

デンプシー
Dempsey, Jack

[生]1895.6.24. コロラド,マナッサ
[没]1983.5.31. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国のプロボクサー。本名 William Harrison Dempsey。 1914年にボクシングの世界に入り,1918~19年初期にはノックアウト KO勝ちを重ねた。 1919年世界ヘビー級チャンピオンのジェス・ウィラードに挑戦,第1ラウンドに7度のダウンを奪い,KO勝ちで王座についた。 1926年ジーン・タニーに敗れるまで7年間世界ヘビー級チャンピオンの座を保持した。翌 1927年タニーとのリターンマッチで,第7ラウンドでダウンを奪ったがニュートラルコーナーに行くのを忘れ,レフェリーの注意を受けた。この間のカウント忘れがタニーに勝利をもたらした。この試合は「ロングカウント事件」として有名になった。俊敏な動きと強打を特徴として「拳の英雄」と呼ばれ,1920年代のアメリカのボクシング界で黄金時代を築いた。通算成績は 84戦 62勝 (51KO) 。後年ニューヨークでレストラン経営者として成功を収めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デンプシー」の意味・わかりやすい解説

デンプシー
でんぷしー
Jack Dempsey
(1895―1983)

アメリカのプロボクサー。元世界ヘビー級チャンピオン。コロラド州マナッサの貧しい農夫の子として生まれる。子供のころからけんかが強く、16歳ごろから酒場用心棒をしていたのを、名マネージャーのジャック・カーンズにみいだされた。1919年7月、チャンピオンのジェス・ウィラード(アメリカ)をノックアウトして第9代世界ヘビー級チャンピオンになった。このときの試合があまりにも残酷だったので、以来「マナッサの虐殺者」とよばれた。五度の防衛後、26年9月にジェーン・タニー(アメリカ)に敗れて王座を去った。戦績は81戦60勝(うち49KO)7敗8引分け6無判定。54年に「ボクシング殿堂」入りした。

石川 輝]

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