とうと(読み)トウト

デジタル大辞泉 「とうと」の意味・読み・例文・類語

とう‐と

[副]《「とうど」とも》
物の状態などが、安定しているさま。しっかりと。ちゃんと。
波風―静まって」〈狂言記那須与一
ゆったりと。ゆるりと。
「まづ―居さしめ」〈虎明狂・磁石

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精選版 日本国語大辞典 「とうと」の意味・読み・例文・類語

とう‐と

〘副〙 (古くは「とうど」とも)
① 勢いよく置いたり落としたりする音やそのさまを表わす語。
今昔(1120頃か)二七「天井を掻開て下来る者有り。〈略〉大きやかなる者、板敷にとうと着(つき)ぬなり」
② 物を、安定した姿に据置くさまを表わす語。しっかりと。
日葡辞書(1603‐04)「Tôdo(トウド) モノヲ ヲク」
※幸若・鎌田(室町末‐近世初)「二人の若をかきいだき、父正清のふしたりし、前後にとうとをろしをき」
③ ゆったりと、また、堂々とすわるさまを表わす語。どっしりと。
謡曲吉野静(1423頃)「されば異なことで遅う寄らしらるる。まづとうど居てこれで待たう」
物事が究極的に定まるさま、確実になるさまを表わす語。しっかり。すっかり。
史記抄(1477)三「とふと武庚管叔とをば誅して」
⑤ ある基準にぴったり合うさま、ある状態にすっかりなりきるさまを表わす語。ぴったり。まったく。
※玉塵抄(1563)一二「物のとうど合たが又ちがうてへだへだになることぞ」
⑥ ⇒どうと
[補注](1)古い文献については「とうと」か「どうと」か必ずしも判然としない。
(2)①の用法には「どうと」の形も見られ、「とうと(とうど)」より「どうと(どうど)」の方が激しい感じとして用いられている。

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普及版 字通 「とうと」の読み・字形・画数・意味

】とうと

北海良馬

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斗】とうと

ひのし。

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