トゥムリー

百科事典マイペディア 「トゥムリー」の意味・わかりやすい解説

トゥムリー

インドの声楽曲の一形式。19世紀ラクナウ宮廷では当初,舞踊演劇に伴うものだったが,やがて歌詞表出を重んじる独自の歌唱法が確立バラナシパンジャーブへと広まり,20世紀初頭に全盛期を迎える。宮廷文化の後退のなかで,トゥムリー歌手は活動の場を失うが,カヤール歌手たちが比較的短い小品として積極的に取り上げ,歌としてのトゥムリーは生き残った。自由な詩形ヒンディー語方言で,恋愛を歌う。古典音楽理論より感情表現が重視されるため,ガザルバジャン等とともに,ライト・クラシカル(軽古典音楽)に分類される。

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改訂新版 世界大百科事典 「トゥムリー」の意味・わかりやすい解説

トゥムリー
ṭhumrī[ヒンデイー]

インドの声楽曲の一形式。恋愛を歌う抒情的な歌で,主として女性歌手によって歌われる。本来民謡一種であるが,古典音楽にもトゥムリーの形式による曲が取り入れられている。トゥムリーによく用いられるラーガは,明るく軽快なもので,短2度や短6度などの音程のあるものは避けられる。
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世界大百科事典(旧版)内のトゥムリーの言及

【インド音楽】より

…またイスラムのスーフィーたちの法悦への手段としての歌はカワーリーと呼ばれる。芸術性の高い歌謡の一様式としての抒情歌トゥムリーは,クリシュナに対するラーダー姫と牛飼女たちの恋情を歌う。ガザルはウルドゥー語の詩による抒情歌でペルシア起源である。…

※「トゥムリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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