日本歴史地名大系 「トカチ場所・ヒロウ場所」の解説
トカチ場所・ヒロウ場所
とかちばしよ・ひろうばしよ
東蝦夷地に設定された場所の一つ。その境は西は「ヒタヽヌンケ」(現広尾町)の川中をもってホロイヅミ場所に、東は「チョクヘツ」(直別川)をもってクスリ場所(初めシラヌカ場所)に接し、南東は海に面する。海岸筋は二三里三二町三四間。往古クスリ場所との境は西方の「ヲコツヘ」(現浦幌町)に設定されていたが、役人の通行が増えたため
設定された時期は不明だが、クスリ場所と同様一六二〇―四〇年代とも考えられる。六六年(寛文六年)六月、トカチ場所知行主である松前藩家老蠣崎蔵人広林からトカチ明神社(現広尾町十勝神社)に円空作の観音像(現同町禅林寺蔵)が納められていることから、同年以前にさかのぼるとみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報