トステム(読み)とすてむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トステム」の意味・わかりやすい解説

トステム
とすてむ

アルミ建材の総合トップメーカー。1923年(大正12)に東京・墨田(すみだ)区に開業した建具小売業の妙見屋商店が始まり。1949年(昭和24)に妙見屋建具(登記上の商号は日本建具工業)を設立し、卸売業に進出、関東最大の建具問屋に発展した。1966年、のちに事業の中核になるアルミサッシ事業に進出、翌年子会社東洋サッシを設立し、アルミサッシ一貫工場を建設。1971年に発売した住宅用アルミサッシ「ニュー太陽」がヒット商品になり、社名をトーヨーサッシに変更、1974年には子会社東洋エクステリアを設立し、門扉フェンスなどのエクステリア事業に進出した。その後、サッシの高級化、複合化に対応した商品を発売、1977年にビルサッシ部門の事業も開始した。1980年代後半以降は「住生活総合化」を目ざし、積極的M&A(企業の合併買収)戦略を展開してグループ企業群を形成、アルミサッシを中心に、インテリア建材、住宅設備機器全般をカバーする企業に転換を図った。1992年(平成4)に社名をブランド名であるTOSTEMにあわせ、トステムとした。2001年(平成13)10月には住宅設備機器メーカーのイナックスINAX。1924設立)との共同持株会社であるイナックストステム・ホールディングス(INAXトステム・ホールディングス。2004年10月より住生活グループ)をつくり、従来業務は新たに設立された事業会社トステムへ移行した。2011年にトステム、INAX、新日軽サンウエーブ工業製造部門を除く)、東洋エクステリアが統合してLIXIL(リクシル)となり、2012年には持株会社の住生活グループもLIXILグループに社名変更した。

[中村青志]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トステム」の意味・わかりやすい解説

トステム
TOSTEM

2011年 LIXILとなった住宅用アルミニウムサッシの大手メーカー。1923年東京で創業した木製建具小売業の妙見屋商店を前身とする。1949年に日本建具工業として設立,建具の卸売りおよび木製建具の製造を行なった。1966年住宅用アルミニウムサッシの製造を開始し,1971年社名をトーヨーサッシに,1992年トステムに変更した。後発メーカーながら,着実な経営戦略,コンピュータを駆使した情報ネットワークによって急成長。ドアやシステムキッチンなどサッシ以外の分野にも進出をはかった。2001年4月子会社のトステムビバを合併。同 2001年10月イナックス経営統合を行なうため社名をイナックス(INAX)トステム・ホールディングスに変更して純粋持株会社となり,事業会社としてトステムを設立。さらにイナックスを持株会社の傘下に置いた。2004年イナックス(INAX)トステム・ホールディングスは社名を住生活グループに変更し,2010年にサンウエーブ工業新日軽を子会社化した。2011年4月,トステムが住生活グループ(2012 LIXILグループに商号変更)傘下に設立された LIXILと,イナックス,新日軽,東洋エクステリアを吸収合併し,社名を LIXILに変更した。「トステム」は商品ブランド名として存続。

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百科事典マイペディア 「トステム」の意味・わかりやすい解説

トステム[株]【トステム】

1949年設立,旧社名は東洋サッシ。サッシ業界では最後発メーカーだが,戦略経営とコンピューター駆使により高成長をみせ最大手に。現在はさらに,住宅機器や住宅構造体へと展開している。2001年,INAXと経営統合,INAXトステム・ホールディングスとなった(2004年,住生活グループと改称)。2003年,ホームセキュリティ事業に参入。本社東京。2011年トステム,INAX,新日軽,サンウェーブ,東洋エクステリアが一緒となりLIXILを発足。

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