バドミントンの男子国別対抗世界大会の通称。正式名称はInternational Badminton Championship for The Thomas Cup。トマスカップともいう。世界バドミントン連盟(BWF:Badminton World Federation)の主催する世界選手権で、2年に一度開かれる。優勝国には銀製の優勝カップ(トマス杯)が贈呈される。イギリスの伝説的なバドミントン選手で、国際バドミントン連盟(IBF:International Badminton Federation、BWFの前身)初代会長、ジョージ・アラン・トーマスGeorge Alan Thomas(1881―1972)の発案による。第1回大会が1948~1949年にプレストン(イギリス)で開かれ、1984年の第13回クアラ・ルンプール大会(マレーシア)までは3年に一度開かれてきた。第13回より女子国別対抗世界選手権のユーバー杯Uber Cupと同時開催されるようになり、以降は2年ごとに開催されている。
2014年の第28回ニュー・デリー大会より出場国の選考方法が変更され、ヨーロッパ、アジアなどの地域とは関係なく、16チームで争われることになった。内訳は前回優勝国チームと大会開催国チームのほか、世界バドミントン連盟が発表する世界ランキング(毎年3月時点)をもとに選ばれたランキングの上位14チーム(前述2チームを除く)である。大会は、4チームからなるグループごとに総当り戦の予選リーグを行い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進む。チームには、4人以上10人以内の選手を登録することができ、1人の代表選手は1回の対戦においてシングルスとダブルスの両方に一度だけ出場できる。試合はシングルス3試合とダブルス2試合の計5試合のうち、3試合を制した時点で勝敗が決する。
日本代表チームは1954年の第3回シンガポール大会から連続出場している。四度の3位を記録した後、2014年大会で初優勝した。
[編集部]
(2014-5-28)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…1920年代にはイギリス全域に普及し,34年には国際バドミントン連盟International Badminton Federation(IBF)が結成された。その初代会長G.トマスの寄贈によるトマス杯を争う男子世界選手権大会が48年から,イギリスの女流選手H.S.ユーバーの寄贈によるユーバー杯を争う女子世界選手権大会が56年から,いずれも3年ごとの国別団体戦として開催されている。個人タイトル戦は1899年以来の全英選手権が有名であるが,1977年から世界選手権が3年に1回,79年からはマスターズの大会が毎年の開催となり,現在では,トマス杯,ユーバー杯と世界選手権が隔年ごとに開催されている。…
※「トマス杯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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