トリバネチョウ(読み)とりばねちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリバネチョウ」の意味・わかりやすい解説

トリバネチョウ
Troides; bird-winged butterfly

鱗翅目アゲハチョウキシタアゲハ属の昆虫の総称。アゲハチョウ類では最も特殊化した一群で,すべて大型美麗種である。ジャコウアゲハ近縁で,東洋熱帯からオーストラリア東北部に分布する。約 30種,5つの明瞭なグループから成るが,学者によってはそれらをそれぞれ亜属または独立の属として扱う。雌雄で大きさ,翅形,色彩のまったく異なるものが多い。最大種アレキサンドラアゲハ T. alexandraeは世界最大のチョウとして知られ,雌は翅の開張 26cmをこえる個体があり,ニューギニアに産する。近縁のビクトリアアゲハ T. victoriaeソロモン諸島に産する。メガネアゲハ T. priamusはニューギニア,ソロモン諸島,オーストラリア東北部に分布するが,地方変化が多い。マレー半島,スマトラ島,ボルネオ島には胸部前縁に赤色鱗を密生するアカエリトリバネアゲハ T. brookianusを産する。インド,スリランカからニューギニア,フィリピン台湾,中国四川省にかけては,雌雄とも黒色で,他のグループにみられるような緑色鱗がなく,後翅に黄色斑のあるキシタアゲハ類 20種を産する。台湾に産するキシタアゲハ T. aeacusと,フィリピンおよび蘭嶼島に産し,雄後翅の黄色部が真珠色に輝くコウトウキシタアゲハ T. magellanusは,日本でも古くからよく知られた種である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリバネチョウ」の意味・わかりやすい解説

トリバネチョウ
とりばねちょう

トリバネアゲハ

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