日本大百科全書(ニッポニカ) 「トンガ海溝」の意味・わかりやすい解説
トンガ海溝
とんがかいこう
Tonga Trench
南太平洋トンガ諸島の東、南緯15度付近より南緯26度付近に達する南北に連なる海溝。その南にあるケルマデックの海溝とあわせトンガ・ケルマデック海溝ともよばれる。太平洋プレートが、インド・オーストラリアプレートの下に沈み込むところに形成されたもので、深さは6000メートルを超える。最深点は、1957年ソ連の海洋観測船ビチャージ号により音響測深法で測定された1万0812メートルであり、ここはビチャージ海淵(かいえん)とよばれる。トンガ・ケルマデック海溝は、海洋底拡大説の進展に伴い海洋地球物理学的に、またストンメルが1957年に提唱した深層循環に関連し海洋物理学的に注目されている。
[半澤正男]