ドラクマン(その他表記)Holger Drachmann

改訂新版 世界大百科事典 「ドラクマン」の意味・わかりやすい解説

ドラクマン
Holger Drachmann
生没年:1846-1908

デンマーク画家作家イギリス留学後,社会批判の詩人として出発(1872)。最初ブランデス兄弟に共鳴し,次に自然主義に疲れ,理想主義ロマン主義,ボヘミアン的センチメンタリズムへと移るなど,19世紀後半の文壇変化のすべてを経験した。民話に取材した戯曲《昔むかし》(1885)は今日でも国民に愛され上演される成功作である。画業の面では,彼の絶えず変化する愛の対象と内面を最も象徴的に表すものとして,海を好んで描いた。
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百科事典マイペディア 「ドラクマン」の意味・わかりやすい解説

ドラクマン

デンマークの詩人,画家。海軍軍医の子で早くから海に親しむ。ブランデスの影響下に《イギリスの社会主義者たち》(1871年)で急進的立場に立つが,のちロマンティックな恋愛詩,海洋詩を書くようになった。《船乗りの信念にかけて》《海辺の歌》,《歌の本》(1889年)などのほか小説,戯曲もある。画家としては海を好んで描いた。

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世界大百科事典(旧版)内のドラクマンの言及

【デンマーク】より

…19世紀半ばは後にデンマーク内外で古典となる文人が多数輩出するが,物語の名手で方言文学の先駆者ブリッカー,文芸評論家ハイベア,童話文学の確立者として不朽のアンデルセン,思弁的風刺家パルダン・メルラーFrederik Paludan‐Müller(1809‐76),文人思想家のキルケゴール,ユダヤ要素でデンマーク文学を豊かにしたゴルスメトMeïr Aron Goldschmidt(1819‐87)らはその一部である。70年代にフランス・イギリス型の自然主義が文芸批評家ブランデスによって導入され,彼は心理描写にすぐれた無神論者ヤコブセン,シャーンドーフSophus Schandorph(1836‐1901),一時期のドラクマンギェレループらの〈現代転換派〉を世に出した。ギェレループとともに1917年ノーベル文学賞を受けたポントピダンは独自に個性の解放を目ざした。…

※「ドラクマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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