日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドラティ」の意味・わかりやすい解説
ドラティ
どらてぃ
Antal Dorati
(1906―1988)
ハンガリー出身のアメリカの指揮者。生地ブダペスト音楽院でバルトーク、コダーイなどに学び、1924年ブダペスト歌劇場で指揮者としてデビュー。ヨーロッパ各地でオペラ、バレエの指揮者として活躍ののち渡米し、第二次世界大戦後ダラス交響楽団、ついで49年からミネアポリス交響楽団の常任指揮者を務めた。63年以降イギリスとスウェーデンで活動するため、しばらくアメリカのポストから離れたものの、69年にはワシントン・ナショナル交響楽団音楽監督としてアメリカ楽界に復帰、ついでデトロイト交響楽団音楽監督となる(1979~81)。レパートリーは広いが、ハイドンの交響曲の全曲録音は、ドラティ最高の業績といえる。63年(昭和38)ロンドン交響楽団と初来日した。
[岩井宏之]