なえ(読み)ナエ

デジタル大辞泉 「なえ」の意味・読み・例文・類語

な‐え〔‐へ〕

[連語]《「な」は「の」の意の格助詞で、「へ」は「うへ(上)」の音変化とも。上代語接続助詞的に用いられ、上の事態と同時に他の事態も存在することを表す。…と同時に。…とともに。
「雲の上に鳴きつる雁の寒き―萩の下葉はもみちぬるかも」〈・一五七五〉

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精選版 日本国語大辞典 「なえ」の意味・読み・例文・類語

なえなへ

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あしなえ(蹇)」などの「なえ」の分離した語か ) 足や手の運用が自由でないこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「蹇 ナエ」(出典:饅頭屋本節用集(室町末))

なえの補助注記

古く、「あしなえ」「てなえ」という複合語がみられ、これら「なえ」のかなづかいが「なへ」であるところからみて、本来「なえ(萎・痿)」とは別語であり、意味も異なるものであったが、意味が近似しているため後世混同されたようで、「痿」の表記もみられる。「痿」は、しびれる病の意。→下二段動詞「なう」の補注


なえなへ

  1. 〘 接続助詞 〙なへ

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