日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナガウニ」の意味・わかりやすい解説
ナガウニ
ながうに / 長海胆
[学] Echinometra mathaei
棘皮(きょくひ)動物門ウニ綱ナガウニ科に属する海産動物。熱帯の浅海域でもっとも普通にみられる中形のウニで、殻の輪郭が長楕円(ちょうだえん)形なのでこの名がある。殻の長径4~5センチメートル、棘長2センチメートルぐらい。棘(とげ)の色は変異が多く、暗緑色、緑褐色、黒色、淡紅色のものなどあり、先端が白いものもある。殻の表面は紫黒色。棘を使ってサンゴに穴をあけ、昼間はそのなかで棘を突っ張ったまま動かないが、夜間は抜け出てサンゴ礁の上をはう習性がある。生殖巣は臭気があり、食用としない。相模(さがみ)湾や伊豆半島沿岸にもまれにみられるが、主として本州南西部以南、ハワイ、オーストラリア、アフリカ東岸を含むインド洋、西太平洋海域に分布する。
[重井陸夫]