1994年に登録されたペルーの世界遺産(文化遺産)で、首都リマ南方に位置する。紀元前2~後7世紀のものといわれ、乾燥した大平原に、ハチドリやコンドル、ペリカン、サル、イヌ、トカゲ、クモなどの動物、花などの植物、幾何学文様や人形(ひとがた)が描かれている。これらは、農耕や水に関わる儀礼に関するものと推測されている。1939年にアメリカの考古学者、ポール・コソック博士によって発見されてからは、ドイツの女性数学者、マリア・ライヘが巨大絵の謎の解明と保護活動に取り組んできた。人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。パンアメリカン・ハイウェイによる線画の寸断などによって地上絵の消滅が危惧された。しかし、1997年以降は保護されている。◇英名はLines and Geoglyphs of Nasca and Pampas de Jumana