ナノハナ

食の医学館 「ナノハナ」の解説

ナノハナ

《栄養と働き&調理のポイント》


○栄養成分としての働き
 ナノハナは、アブラナのつぼみと花茎を食用にするものです。
 栄養価の高い野菜で、カロテン、ビタミンC、B2などのビタミン類とカリウムや鉄などのミネラルをたっぷり含んでいます。
 カルシウムの含有量は野菜のなかでも多く、ビタミンCもホウレンソウの約4倍近く、カロテンもピーマンの5倍です。
 これらの栄養素が総合的に働いて抵抗力を高め、かぜなどの感染症を予防するほか、美肌、ストレス緩和などに有効に働きます。
 また、豊富なビタミン類やカリウムは、高血圧、動脈硬化の予防にも効果を発揮します。さらに、鉄分葉緑素、葉酸(ようさん)が貧血予防に役立ちます。
 最盛期は2~3月。葉の色が濃く、つぼみがそろっていて色がきれいなものを選びましょう。
 やわらかく、クセがないので、さっとゆでておひたしや和えものにして食べましょう。また、さっとゆでてパスタの具やサラダにしてもおいしく食べられます。
 酢を加えたおひたしを食べると整腸作用があり、大腸がんを予防するともいわれています。

出典 小学館食の医学館について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナノハナ」の意味・わかりやすい解説

ナノハナ
なのはな / 菜花

別名ナバナ。アブラナ類の花を一般にいう。これとは別にチリメンハクサイの切り花も、春先にナノハナとして出回る。アブラナ類の種子ナタネ菜種)で、これが植物体をさす場合もある。

 「菜の花畑に入り日薄れ」と歌われる『朧月夜(おぼろづきよ)』は1914年(大正3)の小学校唱歌で、作詞者の高野辰之(たつゆき)は長野県水内(みのち)郡永江(ながえ)村(現中野(なかの)市)の出身。ナノハナは昭和30年代前半までは水田裏作物として、農村でごく普通の春の田園風景であった。

[湯浅浩史]

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