改訂新版 世界大百科事典 「ナムチェバザール」の意味・わかりやすい解説
ナムチェ・バザール
Namche Bazar
ネパール北東部,サガルマータ県ソル・クーンブ郡の集落。人口約1200。エベレスト山麓,標高約3400mの斜面にある。農牧主体の周囲の村より新しく,耕地が少ない。以前はインド,南ネパールの米や工業製品などとチベットの岩塩,羊毛,乳製品などを交換したり,地域の家畜の取引を行う交易民の村であったが,今では住民の生計上,登山の高所ポーターやガイドなどの仕事からの収入の重要性が増している。ここはエベレストを中心とする山群クーンブ・ヒマールへの玄関口であり,外国人検問所,郵便局,電報局などがある。住民の多くはシェルパ族であるが,チベット人やネパール語を母語とする職人カーストの人々も存在する。
執筆者:石井 溥
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報