ニューエコノミー(読み)にゅーえこのみー(英語表記)new economy

翻訳|new economy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニューエコノミー」の意味・わかりやすい解説

ニューエコノミー
にゅーえこのみー
new economy

需要供給一致している経済構造のこと。一般に、需要が供給を上回るとインフレになり、供給が需要を上回ると失業率が上がる。もし、需要と供給が一致していればインフレも失業も起きない。従来の経済(つまりオールドエコノミー)では、需要にあわせた供給ができるようになるまで時間がかかり、需要と供給の一致はむずかしかった。好景気のときには需要に供給が追いつかずインフレになり、供給が軌道に乗ると供給過多になるほど製造して景気後退を招き、結果として供給能力を縮小するためのリストラを行うということを繰り返してきた。しかし、コンピュータやインターネットを使う産業が発達することで、企業は顧客の需要に一致する適切な供給ができるようになった。アメリカの情報通信産業を中心とした好景気と失業率の低下が、こうした経済構造を背景としていると分析され、「ニューエコノミー」ということばが1990年代の末に登場した。

[中島由弘]

『OECD編、日本経済調査協議会訳『ニューエコノミー?成長における技術革新と情報技術の役割』(2001・日本経済調査協議会)』

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