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ねんきんネット ねんきんねっと

知恵蔵の解説

ねんきんネット

日本年金機構が、インターネット上に開設した年金についてのネットサービス。加入者の自宅及び年金事務所、または一部の市区町村や郵便局の窓口で、日本年金機構のサーバーに接続することで、年金記録照会や「私の履歴整理表」への入力支援のサービスを提供する。
社会保険庁がオンライン化したデータについて、納付者を特定できない年金記録が5千万件以上にも上ることが発覚し、公的年金の信頼性が大きく揺らいだのが2007年の年金記録問題である。その解消のため、全加入者と受給者に向けて、加入記録を確認する「ねんきん特別便」が発送された。以降、09年からは加入者に年金納付や受給見込み額について通知する「ねんきん定期便」が送られることとなった。11年から、「ねんきん定期便」以外にインターネットを介して同様の情報を随意に確認するためのサービスとして、「ねんきんネット」が開設された。06年からすでにスタートしていたインターネット上のサービス「年金個人情報提供サービス」を引き継ぎ、拡張したものとなっており、未納や重複加入などの問題がすぐ分かるようになっている。
ねんきんネットは、インターネットを利用して、あらかじめ日本年金機構ホームページからユーザーIDの発行を申請し、受け取ったパスワードでログインすることにより利用できる。確認できる記録やサービスは、(1)公的年金制度(国民年金・厚生年金保険・船員保険)の加入履歴(加入していた制度、加入した年月日、脱退した年月日、加入していた期間の月数等)、(2)国民年金保険料を納めた状況、(3)厚生年金保険に加入していた時の会社名、標準報酬月額、標準賞与額、(4)船員保険に加入していた時の船舶所有者名、標準報酬月額、標準賞与額などである。11年秋からは年金見込額も確認できるようになる。なお、記録はほぼ1カ月ごとに更新される。また、「私の履歴整理表」の名で、自身のこれまでの勤務先、住所等を記入、整理することで、年金記録を見るだけではなく、気づかなかったことを思い出し、スムーズかつ確実に年金記録確認を行うためのサービスもある。
自己の年金について、各種の手段で手軽に確認する方法が確立されたことについては好評だが、各種の呼称に「ねんきん」とあえて平仮名表記することなどについて、かつてのずさんな管理を字面のやわらかさで取り繕っているかのようだとの手厳しい意見もある。なお、ねんきんネットについては、2011年2月28日の開始初日から日本年金機構のホームページからログインできないというトラブルに見舞われ、直接ログインするページを案内するなど対応に追われた。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ねんきんネット
ねんきんねっと

自身の年金に関する情報をインターネットを通じて確認できるウェブサービス。日本年金機構が2011年(平成23)2月から提供しており、パソコンやスマートフォンを使って24時間いつでもどこからでも確認できる。自身の最新の年金記録を確認できるほか、将来の年金見込額のシミュレーション、電子版「ねんきん定期便」の閲覧、日本年金機構から郵送された各種通知書の確認、各種年金申請書の作成などができる。基礎年金番号をもっている人すべてが利用できるが、1986年(昭和61)4月以前に受給権が発生した老齢年金受給者は対象外である。基礎年金番号、アクセスキー(「ねんきん定期便」に記載された17桁(けた)の数字)などを使って登録すれば利用できる。
 2007年に、納付者を特定できない年金記録が5000万件以上に上る「消えた年金」問題が発覚し、公的年金の信頼性が揺らいだ。信頼回復のため、政府は過去の加入記録を確認する「ねんきん特別便」や最新納付状況などを通知する「ねんきん定期便」を送付してきたが、約4割は不明のままである。ねんきんネットの導入は、加入者自らに確認作業をゆだねると同時に、定期便の送付コストなどを削減するねらいもある。
 ねんきんネットでは、(1)公的年金(国民年金、厚生年金保険、船員保険)の加入履歴(加入していた制度、加入した年月日、脱退した年月日、加入期間の月数)、(2)国民年金保険料の納付状況、(3)厚生年金保険に加入していたときの会社名、標準報酬月額、標準賞与額、(4)船員保険に加入していたときの船舶所有者名、標準報酬月額、標準賞与額、などの最新状況を確認できる。記録の漏れや誤りを発見した場合、年金事務所に相談し訂正できる場合がある。また氏名、生年月日、性別を入力することで、持ち主不明の年金記録のなかから一致記録を調べることも可能。年金見込額のシミュレーションでは、年金を受け取りながら働いた場合など人生設計にあわせた試算が可能である。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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