ノスカピン(英語表記)noscapin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノスカピン」の意味・わかりやすい解説

ノスカピン
noscapin

ナルコチンともいう。非麻薬性の鎮咳薬である。ベンジルイソキノリン誘導体の一つで,アヘンアルカロイドモルヒネ (10%) に次ぎ,6%も含有する。鎮痛作用はほとんどない。モルヒネの鎮静作用を増強し,呼吸中枢を刺激してモルヒネの呼吸抑制を弱める作用のほかに,コデインに匹敵するほどの鎮咳作用を示すが,習慣性は生じない。速効性なので内服も有効である。弱いが鎮痙作用があり,分泌も抑制しないので,痰の排出は妨げられない。副作用として,軽度のねむけと吐き気がみられることがある。大量投与では呼吸興奮その他の中枢神経興奮症状を示す。

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