デジタル大辞泉 「阿片」の意味・読み・例文・類語 あへん【×阿片/×鴉片】 《〈英〉opiumの中国の音訳から》1 ケシの未熟な果実からとれる乳液を乾燥させた茶褐色の粉末。モルヒネを多量に含み、代表的麻薬の一種。鎮痛・催眠作用がある。常用すると中毒となり廃人同様となる。麻薬及び向精神薬取締法などにより、一般には売買も使用も禁止されている。オピウム。2 正常な精神を麻痺まひさせるものをたとえていう語。「宗教はかくて民衆を陶酔せしめる―となる」〈田辺元・懺悔道としての哲学〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「阿片」の意味・読み・例文・類語 あ‐へん【阿片・鴉片】 〘 名詞 〙 ( [英語] opium の中国での音訳から )① 代表的な麻薬。ケシの未熟な果殻から出る乳液を乾燥してつくった茶褐色の粉末が生アヘンで、多種のアルカロイドを含む。最も多く含まれるものはモルヒネ。鎮痛、催眠作用があり、医薬品として有用。常習的に麻薬として吸飲すると習慣性がつき有害で、各国で医薬用以外は禁止されている。オピウム。[初出の実例]「瓜哇(ジャワ)〈略〉俗好啖二阿片一」(出典:采覧異言(1713)三)「阿片 アヘン」(出典:書言字考節用集(1717)六)② 正常な感覚を麻痺(まひ)させ、陶酔状態におちいらせるもののたとえ。[初出の実例]「その観念的福音主義のごときは、現代大衆運動にとっては憎むべきアヘンである」(出典:社会変革途上の新興仏教(1933)〈妹尾義郎〉自序) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
旺文社世界史事典 三訂版 「阿片」の解説 阿片(鴉片)アヘン ケシの実の乳液からつくる粉末状の麻薬モルヒネなど20種以上のアルカロイドを含み,強力な鎮静・鎮痛剤として用いられるが,連用すると習慣性の強い中毒症状を起こす。19世紀の中国にイギリスはインド産のアヘンを密輸して銀を獲得し,林則徐の強硬なアヘン禁圧策を機にアヘン戦争を招いた。南京条約ではアヘン貿易問題は何の決定もされず,1858年の天津条約で高関税と引きかえに合法化された。 出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報