ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノーダン」の意味・わかりやすい解説
ノーダン
Naudin, Charles
[没]1899.3.19. アンティーブ
フランスの植物学者,園芸家。オシロイバナなど数種の植物について交雑研究を行い,1856~65年にかけてその結果を発表。雑種第1代は一様にどちらか一方の親だけに似ること,2代目になるともう一方の親に似るものも出てくることを明らかにした。生殖の過程を通じて両親から伝えられた因子の働きによって子孫の性質が決定されると考え,因子同士の競合によってそれらの現象を説明している。彼はまた,植物体を部分が組合わさってできているものとみなし,個々の部分の性質がそれぞれ因子によって決定されると解釈した。このような理論を立てたノーダンは,G.メンデルの先行者たちのうちで最もメンデルに近いところにまで到達していたと評価されている。
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