ノールーズ(その他表記)nōrūz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノールーズ」の意味・わかりやすい解説

ノールーズ
nōrūz

イラン新年春分の日にあたる。イランでは現在この日に始る太陽暦を採用しており,その前後に行われる祝典は最大の年中行事である。その起源は古く,おそらくイラン高原移住以前のインド・アーリア人の慣習にまでさかのぼる。本来,天文学的に設定されたものであるが,ゾロアスター教においてはアフラ・マズダによる天地万物の創造が完了した日としてきわめて重視され,この日から 10日間にわたって行われる祝祭において,人々は聖火を囲んで歌い踊り,祖先の霊を招いて新たな年の幸運を願ったという。ササン朝末期からイスラム期にかけて,ノールーズは伝説的なピーシュダード朝のジャムシード王によって始められたと考えられるにいたったが,その慣習は引続き維持された。9~10世紀にはサーマン朝やジヤール朝などのイラン系王朝のもとでノールーズの祝典が盛大に催されたと伝えられ,またサファビー朝やアフシャール朝のもとでも重要な行事とみなされていた。現在,当初の宗教的意味合いは失われたが,かがり火の上を飛越えて旧年の厄を払うチャハル・シャンベ・スーリー儀式などの慣習はその名残りを明白にとどめている。

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世界の祭り・イベントガイド 「ノールーズ」の解説

ノールーズ【Nowruz】

中東イスラム国家イランの伝統的な正月イラン暦の新年は、西暦春分の日に始まり、およそ2週間の長期休暇になる。正月にはコーラン、鏡、金魚をそろえ、ほかにヒヤシンスの花やローソクなど、そろえなければならない決まりものがいくつかある。新年の前の日には、たき火を踏んだり、飛び越えたりする儀式を行う。◇イランは元はゾロアスター教(拝火教)であった。春分の日は3月21日前後だが、太陽が春分点を通過する時刻に年が変わるとされている。

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