ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノール県」の意味・わかりやすい解説 ノール〔県〕ノールNord フランス最北部の県。パドカレー県とともにノールパドカレー地域(レジオン)に属する。ドーバー海峡からベルギーとの国境に沿って細長く南東に延びる。県都リール。第2次世界大戦を含む多くの戦いの戦場となったところ。セーヌ工業地帯(→セーヌ川)に次ぐフランス第2の北部工業地帯を擁し,工業の発展とともに人口が急増した。中央南部をバランシエンヌからドゥエにかけて,かつてフランス最大の炭田地帯が横切り,製鉄をはじめ,機械,ガラス,化学工業なども立地。南部サンブル河谷でも鉄鋼業が盛ん。中部のリール,ルーベー,トゥルコアンの連合都市域を中心とする工業地帯は,特に毛織物,綿織物などの繊維工業で知られ,アルマンティエール,カンブレーでは麻布も産する。リールなどでは機械工業も発達。運河,鉄道,道路網が整い,良港ダンケルクを擁して,県内,県外各地との交通は至便。北部フランドル地方,南部エノー地方では穀類,サトウダイコン,ジャガイモ,アマ(亜麻),ホップなどを栽培し,牧牛も盛ん。製糖,製粉,醸造なども重要産業となっている。2012年,1200km2にわたって広がるノールパドカレー鉱山盆地が世界遺産の文化遺産に登録された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by