ドゥエ(読み)どぅえ(英語表記)Douai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥエ」の意味・わかりやすい解説

ドゥエ
Douai

フランス北部,ノール県,リール南方 30kmの鉱工業都市。中世にはフランドル地方の毛織物産業の一中心として栄え,自治権も強かった。初めフランドル伯領,のちスペイン領となり,1713年以来フランス領。 19世紀,東方バランシエンヌにかけて大炭田が開発され,フランス北部炭田地帯の中心都市の一つとして発展。鉄鋼鋳造,化学,綿織物縫製,食品加工などの工業がある。 16世紀後半には,イングランドから多数のローマ・カトリック教徒が亡命,イギリス人宣教師養成のための大学が設立され,ドゥエ聖書がつくられた。市庁舎 (15世紀) やノートル・ダム聖堂 (13世紀) などが残る。人口4万 4195 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドゥエ」の意味・わかりやすい解説

ドゥエ
どぅえ
Douai

フランス北部、ノール県にある都市。人口4万2796(1999)。リールの南36キロメートル、スカルプ川に沿う。北フランス炭田の中心地であったが、石炭業の衰退に伴って自動車、印刷工業が産業の中心となった。1562年フェリペ2世の支配下に建てられた大学が1887年リールに移されるまでは、重要な学園都市であった。ゴシック式の塔(14~15世紀)をはじめ歴史的建造物が残る。控訴院所在地

[高橋伸夫]

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