日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイセンビュッテル」の意味・わかりやすい解説
ハイセンビュッテル
はいせんびゅってる
Helmut Heißenbüttel
(1921―1996)
ドイツの詩人。ウィルヘルムスハーフェン近郊のリュストリンゲンに生まれる。具体詩(コンクレーテ・ポエジー)で1960年代に一流派をなす。1959年から81年までシュトゥットガルトの南ドイツ放送局ラジオ・エッセイ部長。「グループ47」の1人。69年ビュヒナー賞受賞。代表作に具体詩集『テクスト・ブック』6巻(1960~67)、新詩学論集『文学論』(1963)、フォルムベークとの共著『文学に関する往復書簡』(1969)などがある。プロジェクト第1号の新小説『ダランベールの終焉(しゅうえん)』(1970)から、次号『石頭両断』(1974)、3号『アイヒェンドルフの没落とその他のメルヘン』(1978)、『ヒトラー』(1979)、『二者択一の終焉』(1980)に至る実験作は、現代ドイツ文学の一つの極致を示している。
[洲崎恵三]