ハカマカズラ(読み)はかまかずら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハカマカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハカマカズラ
はかまかずら / 袴葛
[学] Bauhinia japonica Maxim.

マメ科(APG分類:マメ科)の常緑藤本(とうほん)(つる植物)。夏に総状花序を直立し、淡黄緑色花を多数つける。中央が深く切れ込む葉形からこの名がある。和歌山県から沖縄にかけて自生する。ハカマカズラ属は温帯から熱帯に300種以上あり、日本では属名のバウヒニアの名で次の各種が栽培される。ムラサキソシンカムラサキモクワンジュB. purpurea L.は小苗でも大きな紫赤色花を開き、観賞温室で栽培する。熱帯アジアでは若芽や花を食用にするという。ほかに白色花のソシンカモクワンジュB. acuminata L.や、黄色花のキバナモクワンジュB. tomentosa L.など、丈が低く花がよくつく種類が栽培される。

[高林成年 2019年11月20日]

 ハマカズラをPhanera属とする説も発表されている。

[編集部 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハカマカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハカマカズラ(袴蔓)
ハカマカズラ
Bauhinia japonica

マメ科の常緑つる性木本で,和歌山,高知九州,沖縄に分布し,海岸に近い森林内に自生する。枝の太いものは縦溝があり,分岐しない巻きひげがある。葉は長柄,心臓形で先端は2裂し,裂片は鋭頭。花は小型緑色で7月に咲き,枝の先に総状花序をなして多数つく。萼はつぼみのときは鐘形で約 6mm,花弁は5枚あり円形で長い柄がある。莢果は扁平で 8cmぐらい。

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