ハサンアルバンナー(英語表記)Ḥasan al-Bannā

改訂新版 世界大百科事典 「ハサンアルバンナー」の意味・わかりやすい解説

ハサン・アルバンナー
Ḥasan al-Bannā
生没年:1906-49

エジプトのムスリム同胞団初代の団長murshid。ナイル・デルタ農村の出身ダール・アルウルームに学び,都市生活の虚飾に反発し,1929年中学校教員として赴任したイスマーイーリーヤで同胞団を秘密結社として創設した。40年代にはエジプト最大の大衆政治団体となる右翼的宗教社会運動へと成長させ,その階層組織を神秘的権威をもって統轄した。パレスティナ戦争への大衆扇動,秘密軍事機関による要人暗殺などのテロを組織したが,逆に秘密警察によって暗殺された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ハサンアルバンナー」の意味・わかりやすい解説

ハサン・アルバンナー

ムスリム同胞団創設者,初代の指導者。ナイル・デルタ農村の出身。学校教師となり,1928年赴任先のイスマーイーリーヤで,秘密結社として同胞団を創設。大衆による宗教・社会運動の潮流をつくりだした。同胞団の成長に脅威を感じた秘密警察によって暗殺された。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハサンアルバンナー」の解説

ハサン・アルバンナー
Ḥasan al-Bannā

1906~49

ムスリム同胞団の創設者,初代団長。1924年のカリフ制廃止やエジプトにおける世俗化進展に強い危機感を抱き,28年イスマーイーリーヤでムスリム同胞団を創設。生涯学校教師を続けながら,これを巨大な大衆運動へと育て上げた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のハサンアルバンナーの言及

【ムスリム同胞団】より

…20世紀エジプトで生まれたイスラム宗教社会運動の団体。ハサン・アルバンナーを中心に秘密結社として1929年4月イスマーイーリーヤで結成,33年,本部はカイロに移った。30~40年代を通じてしだいに都市の労働者,職人,小商人,学生の間に拡大し,公然たる運動となった。…

※「ハサンアルバンナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android