ハナダカバチ(英語表記)Bembix niphonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナダカバチ」の意味・わかりやすい解説

ハナダカバチ
Bembix niphonica

膜翅目ジガバチ科。砂地にみられる狩人蜂の一つ。上唇が非常に伸び,先端がとがって口の下側で後方へ曲り,あたかも鼻が高いように見えるのでこの名がある。体長 20~23mm。体は黒色で,黄白色の斑紋が多い。砂地に深く穿孔して巣をつくり,アブ類,ニクバエ類,キンバエ類,ハナアブ類など,各種の双翅類成虫を狩って運び込み,卵を産みつける。孵化した幼虫はこれを食べて成長するが,発育に応じて餌をあてがう。親が巣に出入りする際には巣口を砂で開閉する習性がある。日本全土,台湾,朝鮮半島に分布し,河原海浜にみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナダカバチ」の意味・わかりやすい解説

ハナダカバチ
はなだかばち / 鼻高蜂
[学] Bembix niponica

昆虫綱膜翅(まくし)目アナバチ科に属する昆虫。体長20ミリ内外、体は黒色で黄白色斑(はん)が多い。上唇が異常に突出しているのでこの名がつけられた。成虫は夏に出現し、非常に速く飛ぶ。海岸や河岸の砂地に営巣するが、まれに山地砂礫(されき)地にも営巣している。巣は深い斜坑を掘って先端を独房として掘り広げる。幼虫の食餌(しょくじ)にはアブ・ハエ類の双翅目の成虫を狩って与える。卵は幼虫室に最初に運んだ獲物に産卵し、孵化(ふか)してから母バチは幼虫に随時給餌を行う。巣の出入りの際は巣口を砂で開閉する。

[須田博久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ハナダカバチ」の解説

ハナダカバチ
学名:Bembix niponica

種名 / ハナダカバチ
目名科名 / ハチ目|アナバチ科
解説 / アブ、ハエなどを狩ります。砂地にあなをほって巣をつくります。
体の大きさ / 20~23mm
分布 / 北海道九州

出典 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫小学館の図鑑NEO[新版]昆虫について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android