ハマネナシカズラ(読み)ハマネナシカズラ(その他表記)Cuscuta chinensis; love vine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマネナシカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハマネナシカズラ(浜根無蔓)
ハマネナシカズラ
Cuscuta chinensis; love vine

ヒルガオ科の一年生の寄生つる草で,旧大陸の温帯および亜熱帯海岸に広く分布する。日本では本州中部より西の暖地海岸に自生する。緑葉のないいわゆる無葉緑素植物で,茎は糸状に長く伸び,左巻きで互いにからみ合い,宿主植物に接した部分に小さな吸盤ができて養分を吸収する。花は夏に咲き,細かい白色花を総状につける。萼は5裂し,花弁は長さ2~3mmの短い鐘状で5裂し,裂片は三角形状でおしべは5本ある。花後に生じる 蒴果は短い扁球形である。近縁種マメダオシ (豆倒し)に似ているが,花が多少異なる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマネナシカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハマネナシカズラ
はまねなしかずら / 浜根無葛
[学] Cuscuta chinensis Lam.

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の一年生つる草。ハマゴウに寄生することが多い。8~10月、小さな淡黄白色花を密集して開く。花冠は壺(つぼ)形で5裂し、裂片の基部付近はくびれる。萼(がく)は背面に稜(りょう)がある。海岸に生え、神奈川県以西の本州から沖縄、および中国東南アジアインドオーストラリアに広く分布する。

[高橋秀男 2021年6月21日]

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世界大百科事典(旧版)内のハマネナシカズラの言及

【ネナシカズラ】より

…日本全域および東アジアの温帯に広く分布する。この種や,ごく近縁で中国に分布するハマネナシカズラC.chinensis Lam.の全草は菟糸(とし),また種子は菟糸子と呼ばれ,強精,解熱,解毒などに用いられる。 またマメダオシC.australis R.Br.はハマネナシカズラに似た細いつる状の寄生植物で,マメ科植物に多く寄生するのでこの名がある。…

※「ハマネナシカズラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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