最新 地学事典 「ハロイサイト」の解説
ハロイサイト
halloysite
カオリン鉱物の一種でディオクタヘドラル型の1:1型層状珪酸塩鉱物。ハイドロハロイサイトとハロイサイトの2種がある。ハロイサイトは,化学組成Al2Si2O5(OH)4,単斜晶系,空間群Cc,格子定数a0.515nm,b0.89,c0.757, β100°。層間に水1分子層を含み,約1.0nm(10Å)の層間隔(底面反射)をもつものと,水分子が脱水して,約0.7nm(7Å)の層間隔(底面反射)をもつ2種類がある。かつては,前者をエンデライト,加水ハロイサイト,ハロイサイト-10Åと呼び,後者をメタハロイサイト,ハロイサイト,ハロイサイト-7Åと呼ぶなど幾度も変遷してきたが,2022年に-10Åのものをhydrohalloysite,7Åのものをhalloysiteと呼ぶことをIMAの新鉱物・鉱物名・分類委員会で決定。和名はそれぞれ,ハイドロハロイサイトとハロイサイトとなるが,古い文献や鉱物以外の分野では,両者を区別せずハロイサイトと一括して言う場合も多い。部分的な脱水による,10Å層と7Å層の不規則混合層鉱物も存在する。1:1層状珪酸塩鉱物のクリソタイルと同様にチューブ状の形態を示すが,構造的には八面体層を内側にする点で,クリソタイルとは逆である。50℃以上で脱水し,復水しない。火山灰層,岩石・鉱物の風化物などとして広く産する。陶磁器,製紙用などに利用。降下火山灰が堆積した山地緩斜面で地震時に地すべりが多発するのは,ハロイサイトを含む火山灰層が原因ではないか,と注目されている。土の液性限界に近い含水状態で多量に保水されるため,地震時に有効応力が低下し強度低下すると考えられている。
執筆者:赤井 純治・富田 克利・柴崎 達也
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

