ハワイモンクアザラシ(その他表記)Monachus schauinslandi; Hawaiian monk seal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハワイモンクアザラシ」の意味・わかりやすい解説

ハワイモンクアザラシ
Monachus schauinslandi; Hawaiian monk seal

食肉目鰭脚亜目アザラシ科モンクアザラシ属。タイヘイヨウモンクアザラシともいう。雄は体長約 2.1m,体重は約 200kg,雌は体長約 2.4m,体重約 272kgになる。出生体長は約 1m,出生体重は 16~18kgである。体毛の色は黄褐色,黒茶色,栗色である。幼獣は黒色であるが生後約6週間で換毛する。体型は太く短い紡錘形である。頭部はやや扁平で,吻端は幅広く,左右の外鼻孔は離れており,その中央に1本の溝がある。口の周囲にある感覚毛はまっすぐでしなやかである。頭部はきわめて丸く,細い毛が密生する。耳介はなく,耳孔は目の後方やや下側に位置し比較的大きい。前肢は短く指間に蹼 (みずかき) があり,爪はよく発達する。後肢は鰭 (ひれ) 状で,爪は丸い。前後肢には毛が密生する。尾は短い。上顎下顎門歯が各4本,犬歯が各2本,頬歯が各 10本ある。回遊しないと推測されている。繁殖期は長く 12月から8月中旬までで,出産期は3~6月である。陸上では集団を好み,親仔は密接に体を寄せ合う。環礁に生息する魚類ウナギ,イカ類,タコ類,大型甲殻類を捕食する。北緯 20゜~30゜に位置するハワイ諸島に分布し,ハワイ諸島やジョンストン島周辺によく出現する。絶滅危惧種

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「ハワイモンクアザラシ」の解説

ハワイモンクアザラシ
学名:Monachus schauinslandi

種名 / ハワイモンクアザラシ
科名 / アザラシ科
解説 / 回遊をせず、陸上でも水中でも単独でいます。絶滅したカリブカイモンクアザラシに似ていて、原始的なアザラシです。
体長 / 最大記録はオス2.1m、メス2.4m
体重 / 最大記録はオス200kg、メス270kg
食物 / サンゴ礁域の魚、タコやイカ
分布 / ハワイ北西部
絶滅危惧種 / ☆

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世界大百科事典(旧版)内のハワイモンクアザラシの言及

【モンクアザラシ】より

…鰭脚(ききやく)目アザラシ科モンクアザラシ属Monachusに属する哺乳類の総称。チチュウカイモンクアザラシ,ハワイモンクアザラシ,カリブカイモンクアザラシの3種からなる。低緯度海域に生息する唯一のアザラシで,絶滅の危機にあり,国際保護動物になっている。…

※「ハワイモンクアザラシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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