日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハーテビースト」の意味・わかりやすい解説
ハーテビースト
はーてびーすと
hartebeest
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科ハーテビースト属に含まれる動物の総称。この属Alcelaphusのアンテロープはアフリカに分布し、開けた草原や低木林が点在する草原に生息する。肩高1.2~1.5メートル、体重160~180キログラム。角(つの)は雌雄にあり、長さ25~38センチメートルで、竪琴(たてごと)形である。体は砂色から赤栗(あかぐり)色まで変化に富む。普通、4~30頭の群れで生活し、ヌーやシマウマと混合群をつくることもある。食物はほとんどが草で、丈の低い草や若草を好む。採食中は雄か老雌が見張りに立つことも多い。妊娠期間は約8か月で、アフリカの東部では4~5月に、南部では7~8月に1産1子を産む。現在では絶滅したアフリカ北部のキタハーテビーストA. buselaphus、ケニアとタンザニアのコンゴニハーテビーストA. cokei、アフリカ南部のカーマハーテビーストA. caama、アフリカ南東部のコンジハーテビーストA. lichtensteiniなどがあるが、学者によって2~8種に分けられている。
[今泉忠明]