ヌー(読み)ぬー(英語表記)gnu

翻訳|gnu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌー」の意味・わかりやすい解説

ヌー
ぬー
gnu
[学] Connochaetes taurinus

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アンテロープの1種で、ウシカモシカ、オグロヌーウィルドビーストともいう。アフリカ東部から南部に分布し、開けたサバナに生息する。肩高1.3~1.4メートル、体重150~270キログラム。角は雌雄にあり、長さ65センチメートルほどである。体は灰色で、たてがみや尾は黒色。通常20~50頭ほどの群れをつくり、朝夕にイネ科の若葉や芽を好んで食べる。乾期には数万頭の大群をなし、1日に50キロメートル、目的地まで1600キロメートルを超す大移動を行う。移動の途中で雄をリーダーとする繁殖期の群れがつくられる。妊娠期間は8~9か月で、若草の多い雨期に普通1子が生まれる。寿命は約20年。アフリカ南部には近縁種オジロヌーC. gnouが分布する。本種は肩高1.15メートル、体重130キログラムと小形で、胸に長毛があり、尾が長くて白い。かつては多数が生息したが、乱獲により絶滅寸前となった。しかし、現在では保護され、2000頭以上にまで回復している。

[今泉忠明]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌー」の意味・わかりやすい解説

ヌー
Connochaetes; gnu

偶蹄目ウシ科ヌー属のアンテロープ総称で,オグロヌー C. taurinusとオジロヌー C. gnouの2種から成る。オグロヌーは,体長 2m,体高 1.3m内外。体は灰色,顔面は黒色で,鼻孔が幅広い。尾も黒い。草類が主食で,東アフリカ草原に群れをつくって分布している。オジロヌーは,前種よりやや小型で,尾が白い。南アフリカ中央部に多数生息していたが,近年保護区にわずかに残っているだけで,ほとんど絶滅に近い状態である。

ヌー
Nu

古代エジプトの神。混沌を意味する原初の大洋で,創造に先立ち,すべてのものの根源を胚胎していた。太陽神レーはヌーから生れた。いくつかの文書は彼を「神々の父」と呼んでいるが,彼の行なった創造は知的なものにとどまった。しばしば水端に半身を沈め,腕を差上げて彼から生れた神々を支える人間の姿で表現される。しかし,彼の寺院や崇拝者はなかった。

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