バシキール語(読み)ばしきーるご(英語表記)Bashkir

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バシキール語」の意味・わかりやすい解説

バシキール語
ばしきーるご
Bashkir

トルコ系諸言語一つロシア連邦バシコルトスタン共和国(モスクワ東方およそ1100キロメートル、首都ウファ)で話されている。バシキール人自称はバシコルトであるから、バシコルト語と称してもよい。話し手は約100万人(1989)。バシキール人の総数は144万人(1989)であるが、母語の保有率が72.3%(1989)と低く、他のトルコ系諸族の母語保有率がほとんど90%以上であるのと対照的である。トルコ語族のうち西方語派に属し、音韻特徴ではタタール語に近い関係にある。アラビア文字で表記されていたが、1929年のラテン化を経て、1939年からはキリル文字を基礎とした正書法を採用している。しかし、ラテン文字化が進められている。

[竹内和夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バシキール語」の意味・わかりやすい解説

バシキール語
バシキールご
Bashkir language

ロシア,バシコルトスタン共和国を中心に居住するバシキール人に話されている言語。話し手は約 100万人。チュルク諸語の一つで,カザフ語キルギス語などとともに北西方言 (キプチャク方言) に分類されるが,バシキール語タタール語 (カザン=タタール語) は母音の対応関係に特異点がみられる点で他と著しく異なる。文字言語を有し,1939年からはロシア文字を用いている。

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