日本大百科全書(ニッポニカ) 「バドゥラ・スコダ」の意味・わかりやすい解説
バドゥラ・スコダ
ばどぅらすこだ
Paul Badura-Skoda
(1927―2019)
オーストリアのピアノ奏者。生地ウィーン市立音楽院でピアノと指揮法を学んだのち、ルツェルンでエドウィン・フィッシャーに師事。1948年デビュー。スケールは大きくないが伝統に誠実であるのが評価されて各地で活動、第二次世界大戦後のウィーン楽界の第一世代として注目され、とくにデムスと組んだピアノ二重奏が評判になった。1960年(昭和35)初来日。モーツァルトやベートーベンの研究家として知られ、1970年代に入って以後、演奏活動よりウィーン音楽院での教育、および各種の楽譜校訂に力を注いだ。
[岩井宏之]
『渡辺護訳『モーツァルト演奏法と解釈』(1963・音楽之友社)』▽『高辻知義・岡村梨影訳『ベートーヴェン ピアノ・ソナタ――演奏法と解釈』(1970・音楽之友社)』▽『デイヴィッド・デュバル著、横山一雄訳『ピアニストとのひととき』上・下(1992・ムジカノーヴァ)』