バレストリーニ(読み)ばれすとりーに(その他表記)Nanni Balestrini

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バレストリーニ」の意味・わかりやすい解説

バレストリーニ
ばれすとりーに
Nanni Balestrini
(1935― )

イタリア詩人作家。ジュリアーニらとともにいわゆる「新前衛派」に属し、1963年に「63年グループ」を結成、中心的存在となった。グループ解体後も先鋭な行動を緩めず、最左翼立場から政治、社会に直接かかわった激烈な作品を発表している。詩集に『いかに行動するか』(1963)、『実用の詩』(1976)、『ブラックアウト』(1980)があり、小説には1969年の高揚する労働運動(「熱い秋」)の渦中での政治意識の目覚めを描く『われわれはすべてを欲する』(1971)、マスコミの描く暴力を告発した『描きだされた暴力』(1976)、そして反逆する若者たちの足跡を追った『姿なき者たち』(1987)、前衛運動の推進者であったG・フェルトリネッリGiangiacomo Feltrinelli(1926―1972)の事件を扱う『出版者』(1989)がある。

[古賀弘人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バレストリーニ」の意味・わかりやすい解説

バレストリーニ
Balestrini, Nanni

[生]1935
イタリアの詩人,小説家。新前衛派の代表的作家の一人。 1961年詩選集『最新人』に前衛実験詩を発表。『クィンディチ』誌に拠って評論活動を展開。左翼急進主義を唱え,政治的事件を素材に前衛的手法で文学活動を行う。主著,詩集『いかに行動するか』 Come si agisce (1963) ,小説『トリスタン』 Tristano (66) ,『すべてを欲して』 Vogliamo tutto (71) ,『彩られた暴力』 La violenza illustrata (76) 。

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