改訂新版 世界大百科事典 「バーガルプル」の意味・わかりやすい解説
バーガルプル
Bhāgalpur
インド北東部,ビハール州東部の古都。人口34万0349(2001)。ガンガー(ガンジス)川南岸に位置する。西郊約7kmのチャンパーナガラChampānagaraは,前600年ころ北インドに栄えた十六大国の一つアンガ国の首都チャンパーChampāの遺址とされ,マガダ国による占領後の釈迦の時代にもインドの六大都市の一つとして栄えた。7世紀前半に玄奘(げんじよう)がここを訪れ,瞻波(せんば)国として《大唐西域記》に記している。彼は仏教寺院が損壊しつつも存していたことを述べている。今も残る遺丘の周辺には仏教時代の遺物が散乱する。近郊には石窟寺院があり,彫刻で名高い。西方約30kmのスルターンガンジSultānganjにもグプタ朝時代(4~5世紀)の寺院址があり,ガンガー川近くに屹立する二つの花コウ岩塊はおのおのイスラム教徒,ヒンドゥー教徒の聖所となっている。現在,バーガルプルの町はガンガー川に沿って東西に長く延び,周辺からの米,綿花,小麦を集散し,特産物の手織絹織物のほか,精米・精糖業が立地する。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報