バーバスカム(その他表記)mullein
Verbascum

改訂新版 世界大百科事典 「バーバスカム」の意味・わかりやすい解説

バーバスカム
mullein
Verbascum

ゴマノハグサ科モウズイカVerbascumの植物の総称。本属は地中海沿岸地方に270種以上も分化している二年草,あるいは多年草である。日本の各地に帰化し,野生状態で見られるビロードモウズイカV.thapsus L.(英名candlewick,flannel-leaf,velvet plant)もこの属の植物で,開花時の草丈は1~1.5mになり,直立する二年草。下部の葉はジギタリスのように大きく,茎,葉ともに灰白色の軟毛におおわれている。7~8月,前年の株から花茎を立てて無柄の花を穂状に密集してつける。花は黄色で花冠は5裂し,1~7花が一束となって着生し,無限花序に咲き上がる。1花はめしべ1本,おしべは5本で,花糸に細毛が密生しているのでモウズイカ(毛蕊花)の名がある。このビロードモウズイカや近縁種が外国で交配によって改良された園芸雑種があり,花色が白,黄,桃,紫紅色など,また草丈も低い矮性(わいせい)種が販売されている。種まきは春,4~5月にまけば翌年初夏に咲くが,直根性で移植を喜ばないので,直まきとして間引きをくりかえして育てるのがよい。土質を選ばずよく育ち耐寒性も強いので,こぼれ種で殖えてゆく。
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百科事典マイペディア 「バーバスカム」の意味・わかりやすい解説

バーバスカム

おもに地中海沿岸に分布するゴマノハグサ科の一属で250種ほどあるが,日本で花壇,切花用に栽培されるのは数種で,春まきの二年草として扱われる。普通にみられるビロードモウズイカは全株に軟毛を密生し,茎は直立して高さは2mに達する。夏,茎頂に花冠の5裂した黄色花を穂状につけ,下から咲いていく。これより小型でほとんど毛のないモウズイカや,花色に変化のある交雑種もある。

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