パパーニン(読み)ぱぱーにん(英語表記)Иван Дмитриевич Папанин/Ivan Dmitrievich Papanin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パパーニン」の意味・わかりやすい解説

パパーニン
ぱぱーにん
Иван Дмитриевич Папанин/Ivan Dmitrievich Papanin
(1894―1986)

ソ連北極探検家、科学者、提督。1931年、1932~1933年、1934~1935年、1937~1938年の北極探検と科学調査で優れた成果を収めた。とくに1937年の探検では、北極から20キロメートルの氷野に初めて飛行機での着陸に成功、ここを北極漂流ステーション第1号(NP‐1)とし、フョードロフなど3人のスタッフとともにこの流氷に乗って1938年2月グリーンランド東岸に至るまで科学的観測を行った。この功績により1938年、1940年の2回にわたってソ連邦英雄の称号を受け、レーニン勲章も授けられた。北極海における漂流する氷島上の長期科学観測は、第二次世界大戦後の1950~1960年代、アメリカとソ連によって盛んに行われた。北方航路総局長官などの要職を歴任し、主著に『氷島上の生活』(1938)がある。

[半澤正男]

『押手敬訳『パパーニンの北極漂流日記――氷盤上の生活』(1979・東海大学出版会)』

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