パルスジェットエンジン(読み)ぱるすじぇっとえんじん(英語表記)pulsejet engine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルスジェットエンジン」の意味・わかりやすい解説

パルスジェットエンジン
ぱるすじぇっとえんじん
pulsejet engine

ダクトエンジンduct engineの一種で、1本の導管(ダクト)とその前端の空気取入れ口、その後側に自動的に開閉する逆止弁(シャッター弁)よりなる簡単な構造のエンジンである。空気はまず取入れ口からエンジンに入り、シャッター弁を開いて燃焼室に導かれ、ここで燃料と混ぜ合わされて爆発的に燃焼しダクトを通って排出され、その反動推力となる。燃焼室内の圧力はガスの排出によって下がり、新しい空気がシャッター弁を開いて燃焼室内に取り込まれ、燃料と混ぜ合わされ爆発する、といったプロセスがダクトの固有振動数に応じて繰り返される。第二次世界大戦中ドイツ軍が有翼爆弾V1に使用して有名となった。マッハ0.5程度の速度までしか使用できず、騒音が大きいのと燃料消費量が多いという欠点があり、構造が簡単で値段が安いという特長はあるものの、今後実用になることはまずない、と考えられている。

[落合一夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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