ヘルマンとドロテーア(読み)ヘルマントドロテーア(その他表記)Hermann und Dorothea

デジタル大辞泉 「ヘルマンとドロテーア」の意味・読み・例文・類語

ヘルマンとドロテーア

原題、〈ドイツHermann und Dorotheaゲーテ叙事詩。1797年刊。ドイツの青年ヘルマンフランス難民ドロテーアとの恋愛を、フランス革命背景に描いたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「ヘルマンとドロテーア」の意味・読み・例文・類語

ヘルマンとドロテーア

  1. ( 原題[ドイツ語] Hermann und Dorothea ) 叙事詩。ゲーテ作。一七九七年成立。青年ヘルマンとフランス革命の難民ドロテーアの美しく大らかな愛の物語によって、牧歌的な平和と、混乱期にも人間的なものを失わない市民理想を描いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘルマンとドロテーア」の意味・わかりやすい解説

ヘルマンとドロテーア
へるまんとどろてーあ
Hermann und Dorothea

ドイツの詩人ゲーテの叙事詩。1797年刊行。ライン川畔の旅館息子ヘルマンは、フランス革命の動乱を逃れる難民たちのなかでけなげに働く娘ドロテーアを見そめる。父親は初めそれに反対するが、愛情と理解に富む母親や隣人たちの良識あるとりなしで、2人はめでたく結ばれることになる。激動の時代を背景にしながら変わらぬ健全な人間性の世界を描き出したこの牧歌的な作品は、ゲーテの古典主義思想をよく示すもので、全体を九つの歌に分け、ヘクサーメターの詩形(強弱弱六歩格)でまとめているところにも、古代ギリシアに倣おうとする作者の芸術意志をうかがうことができる。各人物が個性味豊かにしかも典型的に描き分けられているが、それを通じて、革命に対するゲーテの保守的態度がみられ、それが様式の完全さにもかかわらず、評価の分かれるところである。

小栗 浩]

『佐藤通次訳『ヘルマンとドーロテーア』(岩波文庫)』『国松孝二訳『ヘルマンとドロテーア』(新潮文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルマンとドロテーア」の意味・わかりやすい解説

ヘルマンとドロテーア
Hermann und Dorothea

ドイツの詩人,作家ゲーテの叙事詩。 1797年刊。格調高いヘクサメトロス (六韻脚) による古典的形式の作品。 31年のザルツブルクにおける新教徒迫害事件に材を取り,フランス革命時代に背景を移し,金持の息子と難民の娘との恋を描く。

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