パーソントリップ調査(読み)パーソントリップちょうさ(英語表記)person trip survey

改訂新版 世界大百科事典 「パーソントリップ調査」の意味・わかりやすい解説

パーソントリップ調査 (パーソントリップちょうさ)
person trip survey

OD調査の一つで,都市圏,あるいは都市において,ひとりひとりの人がどこからどこへ流動しているかを,年齢性別職業や,交通目的,利用交通手段などとともに把握しようとする調査。調査結果は,鉄道バス,自家用車,自転車徒歩などの交通機関相互の関連を含めた現在および将来の総合的な交通計画を策定するために重要な基礎資料として利用される。日本で本格的なパーソントリップ調査が実施されたのは1967年の広島都市圏が最初である。一般的には,対象地域内からサンプルとして抽出された世帯への家庭訪問により,5歳以上の人の行動を調査する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーソントリップ調査」の意味・わかりやすい解説

パーソントリップ調査
パーソントリップちょうさ
person-trip survey

人の移動を対象とした交通量調査。都市交通計画策定の基礎資料とする。調査方法は対象地域の人々の1日の動きを,各トリップ (トリップとは,1人の人がなんらかの目的を達成するために,ある場所から他の場所へ移動すること) ごとに,起点終点,利用する交通手段,目的などについて調べる。 1963年に富山県の高岡地域で初めて実施され,体系化されたのは 67年の広島都市圏からである。以来三大都市をはじめ,全国都市圏で実施されている。調査方法としては,(1) 家庭訪問調査 抽出した調査対象者を訪問してその人の1日の行動について聞き取る,(2) 営業車訪問調査 対象地域に在籍する営業車のトリップ形態を調べる,(3) 大量輸送機関調査 鉄道やバスなどの大量輸送機関の利用実態を調べる,などがある。あわせてコードンライン調査スクリーンライン調査も実施される。 (→OD調査 )

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世界大百科事典(旧版)内のパーソントリップ調査の言及

【OD調査】より

…歴史的には1915年にニューヨークで実施されたものが最初で,日本では52年に東京都で初めて実施された。調査の種類は自動車を対象とした自動車OD調査,人を対象としたパーソントリップ調査,貨物を対象とした物資流動調査の3種類に大別でき,日本では主として運輸省,建設省,各地方自治体などにより実施されている。実際の調査では,抽出された対象者を調査員が訪問して聞取り調査を行う方法(訪問調査)がおもに用いられ,補完的な調査として,調査対象圏域内外への出入りを調査するコードンライン調査や調査精度を検定するためのスクリーンライン調査などがある。…

※「パーソントリップ調査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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