学校の教職員が、児童・生徒の家の地理的位置を確認、または児童・生徒もしくは保護者を訪問する活動。(1)年間行事として実施するものと、(2)臨時で行うものがある。
(1)は、一般的に4月末から5月の複数日にわたって実施されることが多い。保護者との協力・連携関係を構築するために教師が一軒ずつ訪問し保護者と話をする形式をとる学校と、教師と保護者の負担軽減のために教師が児童・生徒の家を確認するだけにとどめる形式をとる学校がある。ただし、共働きの家庭も多く、かならずしも訪問日時の希望調査を行うわけではないため、留守家庭も一定数存在する。なお、保護者と顔をあわせることができても、かつてのように家にあがって家庭の状況を把握することはなく、玄関先で10分程度話をするのが一般的となってきている。そのため、従来、家庭の実態把握や学校の教育方針に関する説明を行う場として機能を果たしてきた家庭訪問の目的は、児童・生徒の家の地理的位置の確認に集約されつつあり、担任が持ち上がりの場合は実施しない、もしくは一律に実施しないという学校が増えてきている。
一方、(2)は不登校や問題行動など特別な支援や配慮が必要な児童・生徒への対応として、必要に応じて実施するものである。学習権や生存権の保障がおもな目的となるが、ネグレクト(育児拒否・放棄)やヤングケアラー(家族の介護・世話などを担わされている子ども)などの問題が関係しているケースもあるため、教師のほかにスクールカウンセラーなどの専門スタッフが訪問したり、関係諸機関と連携をとりながら実施したりする場合もある。
[藤垣結髪・浜田博文 2023年3月17日]
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