ビエルタン(その他表記)Biertan

デジタル大辞泉 「ビエルタン」の意味・読み・例文・類語

ビエルタン(Biertan)

ルーマニア中央部の村。ドイツ語名ビルテルム。13世紀にドイツのザクセン地方からの移住者により建設。14世紀末にオスマン帝国襲撃に備えて建造された、三重防壁に守られたゴシック様式の要塞教会があることで知られ、1993年に「ビエルタンとその要塞教会」として世界遺産(文化遺産)に登録。同じような教会をもつ南トランシルバニア地方の他の村々とともに、1999年に「トランシルバニア地方の要塞教会のある村落群」の名称拡張登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビエルタン」の意味・わかりやすい解説

ビエルタン
Biertan

ルーマニア中央部山岳地帯,トランシルバニア地方ムレシュ県の町。 12~13世紀にハンガリー王に招かれて移ってきたドイツ系住民 (ザクセン人) たちによって開かれた町で,15世紀にはこの地方の商業の中心地として栄えた。 15世紀後半に入りオスマン帝国の勢力が北に拡大し始めると,この地方の他の町々と同様,ビエルタンも侵略への備えを着々と進めていった。ただし町全体を防壁で囲むのではなく,小高い丘の上の聖堂を拠点とし,その周囲に食糧の備蓄倉庫を設けるというものであった。要塞化した聖堂の防壁は 17世紀には3重になっていた。幸いにして攻撃を受けることはなく,聖堂も町もそのままの姿で今日にいたっている。 1867年まで司教座が置かれていたこともあり,この聖堂近くには司教たちが眠る霊廟がある。聖堂の祭壇に飾られた聖母に捧げられた 19枚の装飾板と,聖堂入口扉に取り付けられた精巧なかんぬきが有名。共産主義政権崩壊後,ドイツ系住民の転出が急増している。 1993年聖堂を中心とする町域が世界遺産の文化遺産に登録。

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