出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…テレビの脅威に対抗して映画界は〈ワイドスクリーン〉による映画の大型化を打ち出した。フレッド・ウォーラーが1952年に発表した〈シネラマ〉方式を皮切りに,《聖衣》(1953)を第1作とする20世紀フォックス社の〈シネマスコープ〉をはじめ,パラマウント社の〈ビスタビジョン〉,MGM社の〈パナピジョン〉,さらに70ミリ映画などが次々と開発され,古代史劇などのスペクタルを売物にするカラー大作が一時的に観客を映画館へと引き戻した。しかし,それは形式的な拡大にすぎず,やがて大衆に見放され,近年はめったに製作されることもなくなっている。…
…
[スクリーンのサイズ]
1940年代までの映画館は,縦横の比率が1対1.33のスタンダードのスクリーンを設置すればこと足りた。しかし50年代に入って,テレビへの対抗策としてさまざまなワイド・スクリーン映画が競作され始めたため,正面いっぱいに大スクリーンを設置し,左右および上部のスクリーン・マスクを作動させて,1.33のスタンダードから1.66~1.85の,いわゆるビスタビジョンサイズ,2.35のシネスコサイズ,さらに最大限の70mm映画(比率はトッドAOとテクニラマが2.13,MGMカメラ65/パナビジョンは2.65。なお,大型ネガによる純正70mmは70年代半ばで姿を消し,現在ではシネスコサイズのパナビジョンから拡大した70mmプリントが用いられている)まで,必要に応じて使いわけるようになった。…
※「ビスタビジョン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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