ビリンビン(読み)びりんびん(その他表記)bilimbing

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビリンビン」の意味・わかりやすい解説

ビリンビン
びりんびん
bilimbing
[学] Averrhoa bilimbi L.

カタバミ科(APG分類:カタバミ科)の常緑低木性の果樹。長葉五斂子(ながばごれんし)、キュウカンバー・トリー(キュウリノキ)cucumber treeともよぶ。モルッカ諸島原産といわれ、インド、マレージャワに多く、ジャマイカを経て中央アメリカ諸国でも栽培される。葉は羽状複葉で互生し、小葉は10対前後からなり長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形。花は淡紅紫色で腋生(えきせい)の集散花序につく。花径は1.5センチメートル、雄しべは10本、雌しべは5本に分岐し、子房は5室からなる。熟果は緑黄色で長さ7センチ、房状につき、円柱形で、不明瞭(ふめいりょう)な5稜(りょう)がある。果肉酸味が強く、ジュース、ジャムピクルスとする。

[飯塚宗夫 2020年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビリンビン」の意味・わかりやすい解説

ビリンビン
Averrhoa bilimbi; bilimbi

カタバミ科の常緑小高木。マレーシアの原産といわれるが自生は明瞭でなく,熱帯アジアで栽培のものだけが知られている。高さ3~18mになり,葉は長さ5~8cmの羽状複葉で6~14対の小葉から成る。花は幹に直接生じる総状花序につき,紫紅色または暗褐色のカタバミに似た5弁花である。果実は幹に直接つき,ウリのような楕円体または円柱形で,長さ5~10cm,径 5cm内外で帯黄緑色をしている。酸味が強く生食できないが,同属のゴレンシ (五斂子)同様ジャムや酢漬にする。材は白色で有用である。

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世界大百科事典(旧版)内のビリンビンの言及

【ゴレンシ】より

…また果実は中国で解熱,解毒などに利用される。 この属にはもう1種ビリンビンA.bilimbi L.がある。果実は小さく長さ5~8cmで稜は著しくない。…

※「ビリンビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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