日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーバーブルック」の意味・わかりやすい解説
ビーバーブルック
びーばーぶるっく
1st Baron Beaverbrook
(1879―1964)
イギリスの新聞人、政治家。本名はWilliam Maxwell Aitken。カナダ、オンタリオ州の牧師の家に生まれる。大学入試に失敗して証券取引業者となり、百万長者といわれるようになった。1910年イギリスに渡って下院議員に当選、そのころから『デーリー・エクスプレス』紙の経営に関係、のちにその所有者となり、日曜紙、夕刊紙をも経営した。1917年男爵に叙せられた。第二次世界大戦中は航空機生産相なども務めたが、新聞は宣伝のために発行しているのだと公言したことで有名。英連邦主義を唱える一方、第一次世界大戦中から政界の実力者と親しく交わり、のちにその内幕を『政治家と戦争』(1928~1932)に書いたほか、カナダのニュー・ブランズウィック大学学長を務めるなど、広く国際的にもさまざまな分野で活動した。
[伊藤慎一]