大英帝国(読み)だいえいていこく(英語表記)British Empire

翻訳|British Empire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大英帝国
だいえいていこく
British Empire

イギリス王冠のもとに結合された植民地帝国の俗称。イギリス帝国とも呼ばれる。エリザベス1世時代の海外探検に始りアメリカ植民地独立にいたる期間の,北アメリカ,西インド諸島,インドへの植民地支配体制を第1次帝国と呼び,19世紀に入ってからの,カナダ,インド,オーストラリアニュージーランド南アフリカなどの地域への支配を第2次帝国と称し,しばしば「太陽の没するところのない」との形容句がつけられた。植民地代表を招いた会議は 1887年に始められたが,白人植民地の自治領化に伴い,1907年からは大英帝国会議と改称。帝国も第1次世界大戦後の 26年イギリス連邦へと変貌し,第2次世界大戦後は相次ぐ有色人植民地の独立により,昔日の面影を失った。

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百科事典マイペディアの解説

大英帝国【だいえいていこく】

英国の海外領土を含めた非公式な呼び名。その最盛期の19世紀後半から20世紀の前半においては,地球上の土地のほぼ6分の1がこれに属した。歴史的にみれば,アメリカ合衆国の独立が承認された1783年のパリ条約までの〈旧帝国〉とそれ以降の2つに分けられる。前者は大航海時代を背景にしてカリブ海地域と北アメリカ植民地がその主体をなしていたが,18世紀のフランスとの間の植民地争奪戦に勝ってカナダ,インドのベンガル地方が加わり成立した。 しかし〈旧帝国〉は成立の直後にアメリカ合衆国の独立によって崩壊を余儀なくされると,帝国の重心はインドに求められ,しかも産業革命後の圧倒的な工業力にものをいわせて,政治的な支配地域の拡張よりも経済的な支配を拡大させて南アメリカ,中国などを実質的に支配圏にいれたのが,19世紀後半のことであった。これらの地域をさして〈非公式の帝国〉という用語が使われることもある。 19世紀末以降の帝国主義の段階ではアフリカ,中近東において列強との間に激しい争覇戦を繰り広げると同時に,白人を主体とする植民地を自治領として認めるなど,帝国の解体を防ぐ手段が講じられた。しかし20世紀に入って,〈コモンウェルス〉(連邦)への編成替えが行われたものの,第2次大戦後,インドを初めとする植民地の多くは独立して帝国は解体した。→イギリス連邦

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世界大百科事典 第2版の解説

だいえいていこく【大英帝国 British Empire】

16世紀以来,海外に領土を獲得したイギリスの別称。最盛期には全世界の4分の1に達した。帝国の歴史はおおまかに,(1)1763年のパリ条約で完成する〈旧帝国〉,つまり重商主義政策を前提とし,西インド諸島や北アメリカ植民地を核とする段階,(2)政治的な支配地域の拡大よりも,自由貿易主義をふりかざしつつ,圧倒的な生産力にものをいわせて実質的な経済支配を拡大した〈自由貿易帝国主義〉の段階,(3)工業化の波が若干の欧米諸国に広がり,競争が起こった結果,ふたたび政治的支配を含む古典的な植民地政策が展開される〈帝国主義〉の段階,(4)〈コモンウェルス〉の概念が導入された1931年のウェストミンスター憲章以後の,いわば帝国衰退期,の4期に区分することができる。

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大辞林 第三版の解説

だいえいていこく【大英帝国】

一七世紀以降、イギリス本国および世界各地の自治領・植民地・保護領などを含めたイギリス帝国の称。その名称は1931年まで用いられた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

だいえい‐ていこく【大英帝国】

(British Empire の訳語) 一七世紀以降のイギリス本国とその自治領・植民地を含めた称。第二次世界大戦後、植民地の大部分は独立し、一部を除いてイギリス連邦を構成。イギリス帝国。

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