デジタル大辞泉
「ピサの斜塔」の意味・読み・例文・類語
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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ピサのしゃとう【ピサの斜塔】
イタリア中部のトスカーナ地方の都市ピサ(Pisa)にある、世界的に有名なピサロマネスク様式の大理石の鐘楼。世界遺産(ピサのドゥオーモ広場)に登録されている。1173年にドゥオーモ(大聖堂)の鐘楼(しょうろう)として着工し、200年後の1372年に完成した。高さ55m、297段の階段がある。垂直の塔として設計されたが、建設途上の13世紀に地盤が沈下して傾いていることが発覚した。傾斜を修正しようとしたができず、最上階部分だけが垂直になっている。この沈下はその後も大きな問題となっていて、1990年にも傾斜を修正する工事が行われている。ピサ大学の教授だったガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei、1564~1642年)は、落体の法則を証明する実験で、この塔の頂上から大小2個の球を落下させ、同時に地上に到達することを示したといわれる(ただし、このエピソードは弟子ヴィヴィアーニの創作だともいわれている)。
出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報
ピサの斜塔
ピサの斜塔は、1173年、ボナンノ・ピサーノによってドゥオモの鐘楼として着工されました。しかし地盤沈下のため、完成したのは14世紀後半。塔の中心軸を調整しながらの建築となりました。今なお傾き続けている斜塔は、円筒形の8階建てで、階段は296段(294段という説も)あり、高さは約55m、建物全体の総重量は、14,453tと推定されており、南に約70cmほど傾いています。16世紀に、ガリレオ・ガリレイによる落下の実験が行われたという伝説も残っていますが、真実は明らかになっていません。
出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のピサの斜塔の言及
【塔】より
…[鐘楼](鐘塔)が独立して建てられることも少なくない。独立した鐘塔は,とくにイタリアで多く見られ,ロマネスク様式のピサの斜塔(1173‐1350ころ)や,ゴシック期のフィレンツェの大聖堂の鐘塔(いわゆる〈ジョットの鐘塔〉。1334‐87)は有名である。…
【ピサ】より
…現在はガラス,金属,機械製造も盛ん。大聖堂([ピサ大聖堂]),洗礼堂,鐘楼(ピサの斜塔)は町の重要な観光資源になっている。 ローマ帝政期,すでに重要な軍事基地の役割を担っていたピサは,造船で知られ,交易地でもあった。…
【ピサ大聖堂】より
…中世イタリアの商都ピサにあり,イタリア・ロマネスク建築を代表する司教座聖堂(大聖堂)。付属して,〈ピサの斜塔〉の名で知られる鐘楼,洗礼堂,墓地カンポサント(聖なる土地の意)をそなえる。大聖堂はパレルモ沖海戦の勝利を記念して1064年ギリシア人ブスケトゥスBuschetus(生没年不詳)の設計により起工,1118年に献堂され,12世紀末にライナルドゥスRaynaldus(生没年不詳)が西側部分を延長してドームを架し,13世紀にファサードが完成して竣工した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」