ペルー南西部,イカ県の北西部にある港湾都市。人口10万5301(2003)。太平洋に注ぐピスコ川の河口近くに位置する。チンチャ,ピスコ,イカなどの谷の肥沃な灌漑地を後背地にもち,栽培される綿花,ブドウの集散地で重要な積出港である。市は海側のピスコ・プエルトと内陸のピスコ・プエブロに二分され,後者には,中庭をもつスペイン植民地時代の建築物が多く残る。2km北にあるピスコ港は,かつて南のパラカスにあった港を移転したものであるが,第2次世界大戦後,魚粉加工業が発展し,その原料となるイワシの水揚港ともなった。近年,近代的な桟橋が建設された。市には繰綿工場,綿実油工場があるほか,油かす,セッケンの製造も盛んである。またここで製造されるブランデーは,ピスコ酒として有名である。パン・アメリカン・ハイウェーで北西に237kmで首都リマに通じるほか,アンデス山中のアヤクチョにも364kmの道路で通じている。独立戦争時のサン・マルティン将軍の上陸地。
執筆者:田嶋 久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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