ファナック(読み)ふぁなっく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファナック」の意味・わかりやすい解説

ファナック(株)
ふぁなっく

NC(数値制御装置)での世界トップ企業。1956年(昭和31)富士通信機製造(現富士通)はコンピュータ開発とコントロール開発の2大プロジェクトチームを発足させた。コントロール開発チームは、アメリカのマサチューセッツ工科大学で開発されたばかりのNCに絞り、1959年に日本最初の連続切削NCを開発した。当初赤字が続いたが、約10年間で黒字転換、1972年にNC部門が富士通から独立し、富士通ファナックが発足、82年に社名をファナックとした。NCについては、電気・油圧パルスモーターによるオープンループNCを自社開発したが、のちにアメリカのゲティス社技術を導入したDCサーボモーターによるクローズドループNCに転換した。NCでの制御技術を生かし、1974年にロボットを開発、自社の機械加工工場に導入、その後ロボットはNCに次ぐ主力商品に育っていった。1982年にアメリカのゼネラル・モーターズ社、86年にアメリカのゼネラル・エレクトリック社とFAファクトリー・オートメーション)分野の合弁会社を設立。1980年から約10年かけて東京の工場・本社を山梨県忍野(おしの)村に移転した。資本金690億円(2008)、売上高3480億円(2008)。

[中村青志]

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百科事典マイペディア 「ファナック」の意味・わかりやすい解説

ファナック[株]【ファナック】

産業用ロボット,FAで最大手の会社。1972年稲葉清右衛門の手で創業。独占的技術であるCNC(コンピューター数値制御)関連装置で世界の5割,国内の7割のシェアをもつ企業。米国ゼネラル・エレクトリック社と密接な関係にある。ロボット以外の射出成形機も伸びる。本社山梨県忍野村,工場忍野,茨城県明野,鹿児島県隼人。2011年資本金690億円,2011年3月期売上高4462億円。売上構成(%)は,FA部門55,ロボット部門18,ロボマシン部門27。海外売上比率75%。
→関連項目忍野[村]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファナック」の意味・わかりやすい解説

ファナック

コンピュータ数値制御 CNC装置メーカー。世界シェア5割,国内では7割を握る。 1972年富士通の全額出資で富士通ファナックとして設立。 82年現社名に変更。 84年には基礎研究所を設立した。当初は電気・油圧パルスモータ,その後は直流サーボモータを軸に CNC装置を開発。 CNC放電加工機,産業用ロボット,プラスチック射出成形機も手がける。産業用ロボットでは,アメリカのゼネラル・モーターズと提携。売上構成比は,FA部門 63%,ロボット部門 31%,サービス6%。年間売上高 2260億 7000万円 (連結。うち輸出 45%) ,資本金 690億 1400万円,従業員数 2112名 (1999) 。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「ファナック」の解説

ファナック

正式社名「ファナック株式会社」。英文社名「FANUC LTD.」。電気機器製造業。昭和47年(1972)「富士通ファナック株式会社」設立。同57年(1982)現在の社名に変更。本社は山梨県南都留郡忍野村忍草。FA関連機器メーカー。コンピューター数値制御装置のシェア世界トップクラス。ほかに産業用ロボットなど。東京証券取引所第1部上場。証券コード6954。

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